「天王寺野外音楽堂」は高校生の私が個人でも借りられるくらいの料金でした。
もちろんいくら安いとはいえ、自分のギターが売れなかった私は親に無心して出してもらうのでしたが・・・(笑)
しかも、大量のPA機材と音響スタッフを提供してくださるにも拘わらず、三木楽器さんは「宣伝なし」を了承してくれましたので、「スポンサーなし」というコンセプトも実現できました。
また、前回のコンサートでは、安いとは言え入場料を徴収したので、学校側にその条件を了解してもらうのが各校でも大変でした。「入場料」をとるという行為そのものが「部活動のコンセプト上で」いささか問題視されていたのです。
しかし今回、私個人は若干の赤字を抱えますが、「入場料なし」のコンセプトも実現できます。
問題は「ゲストなし」です。
やはり高校生の動員力では「天王寺野音」を埋めることは相当に困難でしょう。
私は少しでも多く動員するためにマスコミの力を借りようと思いました。
当時、サンケイ新聞の文化欄には「ヤング」というコーナーがありました。
若い人たちのさまざまな活動や行事を取り上げてくれていたのです。
私はサンケイ新聞あてに取材をしてくださるようにお願いしました。
するとほどなく記者のかた‐失礼ながらもうお名前も失念してしまいましたので、仮にT記者としておきます‐から連絡があり、私たちはナンバの「大劇通り」‐なつかしい響きですが、今もそう呼ぶのでしょうか‐にある喫茶店でお会いしました。そこで、
企画を発案した1年生の1月からのこと
1年後、堺ヤマハの協力で2月11日にコンサートを開催できたこと
アマチュアのコンセプトで再度コンサートを開きたいこと
これまでの過程や自分の思いを私はT記者に話しました。
その結果、5月28日(月)付けの「ヤング」欄で紹介してくださることになったのです。
またT記者は記事をまとめるために勝山高校までお越しくださり、クラブ活動中の様子を撮影したいともおっしゃってくださいました。
ただ、その瞬間「記事になって、勝山の写真だけが掲載されると他校はどう思うか」という不安がありました。私は他校への配慮も必要だとは思いながら、「宣伝材料」としての記事のために、やはり勝山高校に許可をもらい、そして、T記者が来校する旨を部員達に告げました。
同時に他校の代表にも「勝高の部活動の写真が新聞に掲載されるが、宣伝のためなので了解してほしい」と事後承諾を求めました。
幸い、他校の代表はこれを快諾してくれました。
(つづく)